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君の美術館メンバーによる、仮想週間雑誌ブログ

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音屋カンタービレVol.47番外編:ジョージアの部屋その一

涼しくなってきましたが如何お過ごしですか?ジョージアです。

僕は今、偽物の海の見える場所にいます。
偽物とは言えどもそれは真夏の南の島を思わせる景色で、
青い空、青い海・・・なんてベタなことは言いませんが、食欲を減退させる程の青が広がっています。
最近は寝る間も惜しみながら動き回り、合間に病人の看病をするといった次第です。




店内の白熱灯のぼんやりとした灯りを見ながらうとうとしていると、

『疲れた?』

と声をかけられた。
痩せ型の眼鏡をかけた彼は20代前半といったところだろうか。
恐らく学生だろう。外見から中国、韓国辺りの人だろうか。
日本人ではないことは喋り方から分かった。

彼は続けざまに、

『チュウシュウセツって知ってますか?』
とぎこちない日本語で僕に尋ねた。食べ物か何からしい。
勿論知るはずもなく、今までの人生で初めて聞いた単語だった。


『うーん、知らないなぁ』


適当に流すとそこで会話は終わった。
沈黙の中にスティービーワンダーの歌声だけが響いていた。

暫くすると彼は歩き出し、何処かへ行ってしまった。
僕はまた一人で偽物の海を眺めることにした。





半袖じゃ少し寒いかもしれない。
そんな陽気の日。あえて半袖で出掛けた。
通い慣れた道を使い駅へ。乗った電車には人は疎らで容易く座ることが出来た。
移動中は貴重な睡眠時間としている習慣からか、乗車後間もなくして睡魔が寄り添ってきた。
何分、何時間乗っていたのかは定かではないが
電車は終点の駅に着き、本日の役目を終えたらしい。


仕方がないので改札を出ると心地好い涼しさに包まれた。少し寒いくらいだ。
半袖は失敗だったかなと今朝の自分判断を悔やんでいる最中、
目の前に見覚えのある人影があることに気付いた。
いつかの中国人だった。
今日はキャップを被っている。そして彼も半袖だった。


『影で分かりました』


と彼は片言の日本語で僕に言って微笑んだ。

『イタズラが好きですね』


彼が言ったその言葉に僕は一瞬息を飲んだ。理由は分からなかった。
ただ1つ、深いところにある小さな恐怖心が膨らんでいくのが分かった。
気付いたら汗をいていた、こんな肌寒い日に。


彼は顔を上げて笑いながらまた口を開いた、









『本当にイタズラが好きですね』










はい、では来週はヘボさんお願いします。

| 旧 金:音楽 | 23:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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